【どんな和装が良いの?】和装の選び方(白無垢編)
結婚式で着る衣装は花嫁にとって、何を着るかとっても大切な準備のひとつ。
ウエディングドレスも憧れですが、日本の伝統的な結婚式の衣装である和装も惹かれるところ。なかでも古くから受け継がれているのが白無垢です。
圧倒的にウエディングドレスを着用する花嫁は多いですが、本物志向のこだわりをもつ花嫁からは白無垢に熱い視線が注がれているようです。
ですが、白無垢に憧れや興味はあるものの、洋装のドレスとは違い和装に馴染みがないので、どのように選んでいいのかもわかりません。
そもそも、白無垢についてもあまりよく知られていませんよね。
今回は白無垢について知ることから始めてみましょう。白無垢の選び方、ヘアスタイルなど白無垢についてわかりやすくご紹介していきますね。
更新:2022.01.07 作成:2021.12.12
目次
1.白無垢のイロハについて和装和装
さっそく、白無垢の衣装についてお伝えしていきましょう。
1-1.意味
白無垢とはどんな衣装なのでしょうか。
白無垢は掛下と呼ばれる着物の上に着る白い羽織のことです。
ではその衣装にはどんな意味が込められているのでしょうか。
よく聞くのが、白は何色にも染まるという意味があることから、嫁ぎ先のどんな家風にも染まります、ということを耳にしますね。
ですが、それだけではないようです。
白という色は古来より、神聖な色で身を清めるという意味があります。
言われてみれば、生まれてすぐ身につける産着や亡くなる方が着る死装束など、「生」にまつわる時に白の衣装が登場しますね。
というわけで、現代では少し時代錯誤的な感じですが「生家の娘として一度死んで、婚家の嫁として新たに生まれ変わる」という思いも込められているようです。
1-2.歴史
日本で花嫁衣装に純白が選ばれるようになったのは、平安時代以降のことです。
先ほどお伝えしたように、昔から白は聖なる色とされて、加える色次第でどのような色にも変わる白は可能性を秘めた清浄無垢な印象を与えます。それゆえ、花嫁衣装に定着していったようです。
江戸時代に入ると白無垢も多様化し、白一色ではなく、白無垢の下に着る掛下に間着(あいぎ)と呼ばれる小袖を着用されるようなりました。間着の色が黄、白、赤と使用されるようになり、季節に合わせて選ばれていたようです。
また、絞りや刺繍をあしらったものも広く用いられるようになりました。
1-3.挙式スタイル
白無垢は王道の神社はもちろんのこと、そのほかの挙式スタイルにも合わすことができます。
・神前式
ご存知のように神前式は神社で執り行われる婚礼の儀式です。
日本人が古くから敬ってきた日本の神様にふたりの結婚を報告する挙式です。
鮮やかな朱色や白木、鳥居に映える純白の白無垢の衣装は、日本の伝統美を感じさせてくれるでしょう。
・仏前式
仏前式とは、仏教の方式に従った挙式スタイルです。
仏様やご先祖にふたりの結婚を報告し、ふたりのご縁に感謝する意味も込められています。
金細工や仏像が安置された本堂は落ち着きと荘厳な雰囲気に包まれ、白無垢の花嫁姿はよりいっそう美しく映るでしょう。
・人前式
人前式はウエディングドレスが一般的ですが、最近は白無垢で人前式を選ぶカップルも増えています。宗教や宗派に関係なく、列席者に結婚の証人となってもらうスタイルです。
花の文様や刺繍があしらわえれたやわらかい雰囲気の白無垢を合わせれば、その場にマッチしそうですね。
2.白無垢の選び方
白無垢は素材や色味、柄など実にさまざまな種類があります。
順番にご紹介していきますね。
2-1.素材
素材は大きくわけて2種類あり、化学繊維(ポリエステル)と絹100%の正絹があります。
一見ふたつの違いはわからないですが、並べて見比べてみると光沢感や色の柔らかさの違いに気付きます。
・人工化学繊維
化繊は全体的に真っ白な印象を受けます。
絹100%よりも生地が固いので、着崩れてしやすいようです。
そのため、しっかり帯などを締めるので、きつく感じる花嫁もいるかもしれません。
費用は正絹に比べてリーズナブルになっています。
・絹100%の正絹
天然素材である正絹はやさしい艶があるのが特徴です。
純白のしっかりした色味から、だんだんと柔らかな生成りへと変化していきます。
ですので、花嫁の肌の色や会場、合わせる小物によって白無垢の色味を選ぶのがおすすめです。
実際に袖を通して顔映りを見ながら選んでいきましょう。
また、シルクでできるているので、肌触りと着心地がよく、型くずれもしにくいので、長時間着るのにふさわしいですね。
ただし、費用は化繊に比べて割高になります。
2-2.柄
白無垢の柄は、松竹梅や桜など植物の文様、鶴や鳳凰といった鳥の文様、かごの文様などさまざまあります。
基本的には好みの柄を選んで大丈夫なのですが、注意点もあります。
それは柄の大きさです。
小さな花がいくつもあしらわれているものもあれば、鶴の群れが大胆に描かれているものもあります。
基本的に小柄な人は小さめの柄を。
背の高い人は大きめの柄を合わせるとバランスがよくなります。
2-3.織り方
織り方にもいくつか種類があり、始めから柄が織り込まれている機械織と、後から手作業で刺繍する相良織があります。
相楽織のほうが美しい柄になりますが、使用している糸が増えるため、もともと重量感のある着物がさらに重たくなってしまう難点があります。
2-4.ふき
ふきとは、着物を身に着けたときに正面から見える裏地の部分が見えるところをいいます。
襟元や袖の部分です。
ふきは、生地と同じく白のものが多いですが、最近はふきの部分が赤い生地や淡い色のものもあります。
赤いふきは紅白のコントラストがきれいで人気です。
この赤の色はデザインだけでなく、赤には魔除けの意味があり、災いを防ぐという意味合いもあるようです。
白無垢にも数多くの種類がありますね。
まずは正絹にするか化繊にするかを選び、後は好みとバランスで決めていくとスムーズです。
試着では着慣れない和装なので素朴な疑問点や質問が出てくると思います。そのときは遠慮せずに、衣装スタッフに聞いてアドバイスも聞きながら選びましょう。
3.白無垢のヘアスタイル
白無垢のヘアスタイルは、結い上げ姿に綿帽子や角隠しで仕上げられてきました。
最近はこの伝統的にまとめる以外に、洋髪にヘッドドレスを合わせるなどモダンなスタイルも出てきています。
3-1.綿帽子
綿帽子とは、文金高島田を結った頭の上に被せる布で、最も格式の高い髪型といわれています。
室町時代後期以降、女性が外出するとき、埃除けや防寒具として使用されていたことが始まりで、その後、おしゃれなかぶりものと進化し婚礼に用いられるようになったようです。
「挙式が終わるまで花嫁は新郎以外の人に顔を見られないように」という意味合いもあったようで、初々しさと奥ゆかしさの象徴となっています。
3-2.角隠し
角隠しも綿帽子と同じく文金高島田を結い、その上に帯状の幅広い布をかぶります。
このユニークな言葉の由来は、女性の嫉妬や怒りに例えられ、花嫁の嫉妬心を抑えるために用いられたとか。
怒りの象徴である角を隠すことで、従順でおしとやかな妻になるという意味も込められているそうです。
3-3.洋髪+ヘッドドレス
会場の雰囲気に合わせて洋髪にヘッドドレスで華やかさを演出するのも可能です。
空に舞う鶴をモチーフしたり、帯地で仕上げたヘッドドレスなど自由にコーディネートが楽しめます。
従来とは異なる髪型にしたい花嫁は、遊び心のあるヘアに挑戦してみるのもいいですね。
いかがでしたか?
何百年も前から受け継がれてきた婚礼衣装である白無垢姿で、結婚式を挙げるのも伝統と誇りを感じさせますね。
スタンダードなコーディネートで厳かに挙式をあげたり、ちょっと冒険して自分らしさをアレンジしたスタイルで行うのも小粋ですね。
特別な日の白無垢姿、心残りのない花嫁の衣装にしてください。
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