【簡単にできるの?】婚姻届の提出はどうやってするの?
法的に夫婦になるには婚姻届の提出が必要です。それはよく知られていますが、どのように出せばいいのでしょうか。
ただ、記入して提出すればいい?必要な書類っている?
初めてのことなので、わからないのも当然です。
ところで、よく芸能人のコメントで「先ほど役所へ婚姻届を提出し、晴れて入籍いたしました」といった言葉を聞きますが、実は厳密にこの言い方は正しくないってご存知ですか。
「結婚」「入籍」「婚姻」が混同されて使われていることが多いようです。
そこで今回はまず、それぞれの違いについてご説明していきますね。
もちろん、婚姻届の提出についてもしっかりご紹介していきますよ。
しっかり理解した上で、ふたりにふさわしい時期に婚姻届を出してくださいね。
更新:2023.07.29 作成:2023.07.29
目次
1.入籍と結婚の違い
冒頭でも触れましたが、ニュースやワイドショーで有名人の結婚が話題になることがありますね。メディアでは「結婚しました」や「入籍発表」などが同じ意味合いで使われています。
ですが、「結婚すること」と「入籍すること」とは実のところ違うのです。
順番にご説明していきますね。
1-1.入籍とは
入籍とは、文字が示すように「籍を入れる」ことになります。
すでに存在する戸籍に、新たに入ることを「入籍」といいます。
初婚同士のカップルが婚姻届を出して夫婦になると、それまで入っていた親の戸籍から抜けて、新たに戸籍が作られます。
ですので、どちらかが、すでにある戸籍に入ることにならないのです。
よって、多くの人が思い込んでいる「入籍=結婚」は厳密には間違いです。
では「入籍した夫婦」とはどんなカップルでしょうか。
どちらか一方が戸籍の筆頭者であり、その戸籍にもう一方が後から加わることになります。
具体的には
- 以前の結婚相手と作った戸籍が既にあり、死別か離婚後に自分が筆頭者になって結婚した場合
- 成人後に親の戸籍から分籍していた人が結婚した場合
上記のどちらか、もしくは両方に当てはまる人が婚姻届を提出すると入籍という形になります。
1-2.結婚とは
では「結婚」とはどういったことを指すのでしょうか。
ひと言でいうと、結婚とは夫婦になることです。
一般的には「結婚する」というと婚姻届を出して法律上の夫婦になることを意味しますが、夫婦の形が多様化している現代では、その限りではありません。
そのひとつの例が、婚姻届を出さず、夫婦として生活をしているカップルは「事実婚」と呼ばれています。届けの有無にかかわらずに、事実上夫婦として過ごしているカップルです。
2.婚姻届の出し方
先ほども触れましたが、初婚同士の人が婚姻届を出すと新しく戸籍が作られます。
では、誰でも婚姻届を出すことができるのでしょうか。
実はいくつか条件があります。
- 男性は18歳以上、女性は16歳以上であること
- 男女双方とも、婚姻関係を結んでいないこと
- 20歳以下で未成年の初婚の場合は、親の承認が必要
- 20歳以上の証人が2人以上必要
- ふたりが直系親族または3親等内の傍系血族でないこと(他条件あり)
- 女性が再婚の場合、離婚届提出から100日が経過していること
2-1.必要なもの
実は条件を満たしても、婚姻届を出すときに必要な書類があります。
(1)婚姻届
婚姻届は役所でもらえます。自治体によってはネットからの取り寄せが可能なようです。
本人同士はもちろん、証人の署名・捺印も忘れないように確認しましょう。
(2)戸籍謄(抄)本
結婚する前の戸籍謄(抄)本が必要。
ただし、手続きする役所が従前(ひとつ前)戸籍の本籍地自治体である場合は、その人の戸籍謄本または抄本は不要とされています。
わかりやすく言うと自分の本籍地で婚姻届を提出するなら戸籍謄本または抄本は必要ないということです。
ちなみに本籍地とは、その人が戸籍の原本が置いてある場所のことです。
自分の本籍地がわからない場合は、家族に聞くか、住民票の本籍欄を見て確認しましょう。
(3)ふたりの印鑑と身分証明書
一方は旧姓のものが必要。
身分証明書は写真付きのもの。
書類に不備がなければ、その場で受理され、晴れてふたりは夫婦となります。
結婚式をしていなくても、婚姻届を出せば法的に夫婦と認められます。
2-2.提出先
婚姻届の提出先は下記の自治体であれば、どこでも可能です。
〈結婚前のふたりの本籍地〉
彼または彼女どとらかの本籍で提出する場合、本籍地でない方は本籍の戸籍謄本が必要になります。
〈新本籍地〉
どちらも元の本籍地と婚姻届に記載する本籍地が異なる場合、現本籍地の戸籍謄本がふたりとも必要になります。
〈現在地〉
ここでいう「現在地」ですが、今住んでいる場所以外でも可能です。
例えば、ふたりが訪れた旅行先でもOKで、国内で住所がある場所ならどこでも可能ということです。
ただし、「現在地」が本籍地と異なる場合は戸籍謄本が必要になります。
2-3.注意点
いざ、提出となったとき、注意しておきたい注意3点があります。
〈夜間・休日の確認〉
夜間や休日に提出を考えているカップルは、必ず提出先の自治体に確認をとりましょう。
原則、受付は24時間365日可能ですが、時間外窓口では受け取りのみ行い、受理されるのは後日というケースがあります。その場合、婚姻届の日付は受理された日になるので、日にちにこだわっているカップルはそのあたりも要確認です。
また、自治体によっては時間外窓口を設置していないところもあるので、事前に提出先のルールや受付時間について確認しておきましょう。
〈記入モレをチェック〉
意外と多いのが婚姻届への押印・記入モレです。念入りにチェックしておきましょう。
なかでも気をつけたいのが本籍地や住所の記入です。本籍地は戸籍謄本、住所は住民票と少しでも異なると受理されないので、一字一句違いがないか確認しましょう。
証人の項目欄も注意しておきたいところ。
記入モレや修正があれば、証人者はその場にいないので、受理されないので気をつけましょう。
〈時間は余裕をもって〉
受付時間ぎりぎりの到着予定や、提出後の予定は余裕をもたせておきましょう。
交通の遅れで受付時間に間に合わなかったという事態は避けたですね。
また、提出はスムーズにいけば15分くらいで終わりますが、混雑具合によってはかなり待たされることもあります。時間に余裕があればイライラすることもないですからね。
以上の点を考慮して、婚姻届が確実に受理されるようにしましょう。
3.婚姻届を出す時期
結婚式と婚姻届の提出の順番はカップルによってさまざまですが、それぞれ決めた理由についてご紹介していきます。
3-1.結婚式の「前」
結婚式の前に婚姻届を提出したカップルの主な理由は下記の2つに分かれています。
(1)婚姻届を先に出したほうが、余裕をもって結婚式や新生活の準備が行えるから。
結婚式の後は何かと慌ただしいものです。先に書類を取り寄せたり、婚姻届の提出を済ませておけば、結婚指輪や新生活の段取りも余裕をもって行えますね。
また、賃貸契約や会社の手続きは同じ籍にしたほうがスムーズだったという意見も少なくないようです。
(2)海外で挙式をあげるので「婚姻届受理証明書」が必要だったから。
海外で挙式するときは法的にふたりが夫婦であると証明する「婚姻届受理証明書」を用意しなければならない場合があります。
「婚姻届受理証明書」は自治体に婚姻届を提出し受理されれば、その場で発行してもらえるようです。
3-2.結婚式の「後」
結婚式の後に婚姻届を出したカップルの多くが親の意向をあげています。
親が結婚した時代の順番が、結婚式が先でその後に届けの提出が一般的だったからですね。
3-3.結婚式の「同日」
結婚式と同じ日に婚姻届を提出したカップルは、「記念日を同じにしたい」という思いからのようです。
この場合、午前中に役所で提出して、午後から結婚式を挙げるなどスケジュールの調整が必要となってきます。
詳しく知りたい方は下記を参考にしてくだいね。
https://www.wedding-door.jp/704/
4.婚姻届の提出日の決め方
ところで、先輩カップルはどのように提出日を決めたのでしょうか。
どんな日取りを選んだのかみていきましょう。
4-1.縁起の良い日
日本は古くから慶事には大安や友引を選ぶ習慣があります。
結婚式には大安が選ばなかったカップルも、婚姻届の提出日はお日柄の良い日を選ぶ傾向にあります。
また、「一粒万倍(いちりゅうまんばい)」という有名な吉日を選ぶカップルもいます。
この「 一粒万倍」とは「手元にあるわずかな物で始めたことが何倍にも膨らむ」とされ、新しいことをスタートするにはもってこいの日とされています。
この吉日は月に4〜7回あるので、大安と重なった日を選択するケースも。
親にすすめられて、縁起の良い日を選ぶカップルもいるようです。
4-2.記念日
ふたりの出会いの日やつき合い始めた日など、ふたりにとって特別な日にちを選ぶカップルもいます。
出合って3年の記念日と、区切で「彼・彼女」から「夫婦」になるというのも素敵ですね。
4-3.語呂合わせ
縁起を担いで、月日の組み合わせが幸せな結婚をイメージさせる語呂合わせの良い日を選ぶケースもあります。
例えば
- 1月8日/いちばん ハッピーな日
- 2月7日/2人仲良く
- 3月9日/サンキュウの日
- 4月22日/よい夫婦の日
- 11月22日/いい夫婦の日
4-4.誕生日
どちらかの誕生日を選ぶことで忘れづらくすることができます。
女性に限らず男性の誕生日を選ぶカップルも意外と多いとか。
いかがでしたか。
今回は誤解されていることが多い「入籍」の意味から婚姻届の提出の方法、届ける日にちの選び方までご紹介してきました。
この記事を参考に、ふたりが決めた日に、スムーズに婚姻届が受理されることを心より願っています。
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